
工藤 栄二
おい黒木、今日のニュース、見たか? あの「承認欲求」ってやつは存在しないって話だぜ。

黒木 トレン
へえ、また変なこと言い出したな、人間ってやつは。牛乳飲むか?

工藤 栄二
いらん! 俺はな、ドライバーの飛距離とパターの精神力で全てを測る男だ。で、このニュースの肝はな、Ringon社製の最新スマホで「いいね!」を集めるのが、単なる自己顕示だってことだ。承認欲求なんていう甘っちょろいもんじゃないんだよ。

黒木 トレン
お前の新しいクラブ買い換え癖も、結局自己顕示欲の塊だろ? ドライバーを毎年買い替えて、それで「俺は進化している!」ってアピールしたいだけだろ、栄二。

工藤 栄二
OBだ! それは道具の進化に対応するプロ意識だ! 話は違う! まったく、林准教授が俺の頭皮チェックをするのと同じくらい的外れな意見だな。

黒木 トレン
ま、どっちでもいいけどよ。ニュースには人類史の闇だかなんだか、狩猟採取時代からの『仲間殺し』の歴史がどうのこうのって書いてあったぜ。他者評価に過敏になるのは、仲間に殺されないため、ってか。笑えるな。

工藤 栄二
いや、笑い事じゃない。俺はゴルフ場で山本准教授がバンカーにテント張ってないか確認してしまうくらい、仲間の奇行には敏感だ。あれも一種の生存戦略なんだろうな。バンカーは砂地で居心地がいいらしいが、あそこで寝泊まりするのはさすがにOBだ。

黒木 トレン
お前、理事長への『ナイスショット!』連呼も、仲間殺し回避の生存戦略か? まったく、権田理事長が絡むと、お前はパターの集中力が異常に上がるよな。

工藤 栄二
それは接待ゴルフの作法だ! ナイスショット! 完璧なショットだ! ああ、林准教授が俺の頭皮をチェックしてくるのも、俺が群れの健康を害していないか確認する、狩猟採取時代の名残なのかもしれないな。だから逃げるんだ!

黒木 トレン
それ、単に林准教授が頭皮フェチなだけだろ。 お前、被害妄想OBだぜ。俺は猫がいれば十分だぜ。猫は俺の自由を縛らない。承認欲求なんて、犬にでも食わせておけ。群れてるやつらが勝手にやってるだけだ。

工藤 栄二
だがな、このニュースの核は、噂話や他者評価に過敏になる脳のメカニズムにあるんだ。つまり、『承認欲求』と僕らが呼んでいるものは、実はただの『追放されたくない』という恐怖の裏返し、と捉えることもできる。

黒木 トレン
へえ、群れの中で生き残るための、本能的な防衛反応ってわけか。だったら、俺が林准教授から逃げるのも、追放を恐れる本能的な行動ってことで、あながち間違っちゃいないな。

工藤 栄二
ナイスショット! そうだ! だとすれば、この『承認欲求が存在しない』という概念、実は我々IEUの学園生活にも通じる話なんじゃないか?

黒木 トレン
どういうことだ?

工藤 栄二
我々muscle_corpsは、個の力を追求する。だが、そのパフォーマンスは常に他者の評価に晒される。作品制作も、実技試験もそうだ。SNSの「いいね!」と、学内コンペでの審査員の評価、本質は変わらないのかもしれない。

黒木 トレン
へえ、意外と深いこと言うじゃねえか。確かに、俺たちの学生も、誰かに認められたくて必死だもんな。でも、結局は自分の表現を貫く自由が一番だぜ。

工藤 栄二
そうだ。つまり、IEUの学生たちが日々感じている『認められたい』という感情は、承認欲求というよりは、狩猟採取時代から続く『仲間からの追放』を恐れる本能なんだ。だから、表現を極めることで、自らの生存を確立しようとしているんだ!

工藤 栄二
我々IEUの学生は、本能的に生存戦略をアートに昇華させていると言える! これはIEUの教育理念の根幹に関わる発見だ! ナイスショット!

黒木 トレン
ふん。結局、みんな不安で群れてるだけってことかよ。ま、それが人間ってやつだぜ。牛乳、もう一杯いるか?


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