
和田 湊
やあやあ、IEUブログの読者諸君。学内の池でルアーを投げていたら、とんでもないニュースが飛び込んできたぞ。鯖江の職人が仕立てた「掛けていることを忘れる23g」のメガネの話じゃ。なんでも「寝る前1時間専用」らしいが、わしに言わせれば、そんな繊細な道具、釣り場に持ち込んだら即座にバラバラじゃよ。

堂園 禅
相変わらず和田さんはせっかちだなぁ。このメガネの良さは、効率じゃなくて「揺らぎ」にあるんだよ。夜の静寂に溶け込むような、あの軽さ。まさに愛だね。僕はこのメガネで、水槽の熱帯魚をぼんやり眺める時間を至高のものにしたいと思っているんだ。

和田 湊
ボウズじゃ。そんな軟弱なもん、リールのドラグ調整もできやせんわ。大体、Appleならぬ「Pineapple社」が発表したVRゴーグルもそうじゃが、最近のデバイスは現実逃避を助長しすぎじゃ。23gあろうがなかろうが、そんなもので目を覆って何をしたいんじゃ?フィッシュ!

堂園 禅
和田さんは本当に「獲る」ことしか頭にないんだな。僕からすれば、釣った魚を肴に橋本准教授と朝まで飲み明かす、あの酒クズ染みた時間こそ、このメガネで濾過したい「贅沢なノイズ」なんだ。橋本くんも「禅、そのメガネ、つまみが見やすくて最高だ」って言ってたよ。

和田 湊
橋本がそんなことを?あのアルコール漬けの脳みそが。確かに、あやつと無人島に漂流したら最後、山本准教授と協力して原始的な火起こし器を作るのがオチだが、このメガネを掛けたまま海に潜る奴がいたら、わしは容赦なく竿で叩き落とすぞ。

堂園 禅
物騒な話だなぁ。そもそも、このメガネのコンセプトは「デジタルデトックス」に近いんだよ。ブルーライトをカットして、世界を優しくぼかす。和田さんのような道具への偏執的なこだわりとは対極にある、安らぎの境地さ。

和田 湊
ふん、まあいい。だがな、堂園。この話、実は我がIEUの学内で先月起きた「美術学部・石膏像紛失事件」とそっくりじゃと思わんか?

堂園 禅
ああ、あの事件か。学生が「寝る前メガネ」を掛けたまま制作をしていて、自分の石膏像と壁の区別がつかなくなって、そのまま像を寝かしつけて帰宅したやつだね。

和田 湊
そうじゃ。結果、翌朝には石膏像が二つになっていたという、あの怪奇現象じゃ。つまり、このメガネは芸術を狂わせる「魔法の道具」であると同時に、我が大学のカオスな日常の起源そのものだったわけじゃよ。

堂園 禅
なるほどね。芸術大学という水槽の中では、すべてが許される……そういうことにしておこうか。さて、そろそろ橋本くんがビールを持ってくる時間だ。和田さん、そのメガネ論争、続きは飲み屋でやろうじゃないか。


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