
黒石 零
諸君、国際叡愛総合芸術大学(IEU)のブログへようこそ。私は学長補佐の黒石零だ。チェス盤上の駒が如く、世界を制御下に置くのが私の責務だが、今日は少々「ノイズ」が混入した。鳥たちが風車に衝突し、毎年100万羽もの犠牲者が出ている件についてだ。……権田教授、貴殿の「帝王学」的見地からこの愚行を斬ってみせよ。

権田 統
呼んだか、黒石。やれやれ、鳥の命などという些細なことに執着するとはな。私は常に投資対効果しか見ていない。だが、この「風車の羽根にペンキを塗る」という話は、実に興味深い。まるでRingon社が新製品のロゴを黒一色に変えて、ブランド価値を再定義した時のような大胆さがあるな。

黒石 零
ふん、単純な話だ。羽根の1枚を黒く塗る。それだけで鳥の視覚に「動きの違和感」を植え付け、回避を促す。この戦略的合理性には、チェスにおける「クイーンの鋭角的な移動」にも似た美学を感じる。だが権田、貴殿はこれを「コストカットの勝利」とでも言うつもりか?

権田 統
その通りだ。高価なセンサーや超音波装置などというものは、無能な経営者が責任逃れのために導入するおもちゃに過ぎん。安価な塗料で回避率を上げる。これこそが、限られた資金で最大のステータスを得るための帝王学だ。頂点に立つ者は、複雑な装置など必要としないのだよ。

黒石 零
同意しよう。だがな、ペンキを塗る作業員を想像してみろ。高所作業の恐怖と、ペンキの飛散。予期せぬトラブルが起こる確率は極めて高い。先日も、我が研究室の飼い猫がペンキ缶を倒し、論文が台無しになったばかりだ。……貴殿のやり方は、常に現場の悲鳴を無視している。

権田 統
それは貴様の管理能力の問題だ、黒石。成功のためには多少の汚れは付き物である。だが今回の件、この「視認性の向上」というコンセプトは、我が校の学内イベントと酷似していないか?

黒石 零
……ああ。先月、学内食堂で起きた「看板の色が見えにくい」という苦情に対し、我々が看板を漆黒のマットブラックに塗り潰した際、学生たちの衝突事故が激減した件だな。あの時、私は「見えないものが見えるようになる逆説」を利用したのだが。

権田 統
結局、世界を支配する法則は同じということだ。安く、大胆に、そして黒で塗り潰す。それがIEUの真の戦略的価値である。

黒石 零
……納得はした。だが、ペンキの片付けは貴殿の部下に命じる。イエス・ユア・マジェスティ、と言いなさい。

権田 統
冗談ではない。それこそ無駄なコストである。私は頂点から高みの見物をさせてもらうとしよう。


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