
黒石 零
イエス、ユア・マジェスティ。本日も盤上の世界情勢を分析する時が来た。愚かなる人類がまた一つ、仮想現実という名の牢獄を築き上げようとしている。我が国際叡愛総合芸術大学が誇る、運気戦略の権威、宝田福教授、ご参集願おう。

宝田 福
あら、零ちゃん。また人の運気を下げるようなこと言って。でも今日のニュースは、ちょっぴりキラキラする予感がするわよ。ハッピー!

黒石 零
今回、我々の盤上に投げ入れられた駒は、『Disconnect for Meta Quantum Visor』という名の新興勢力だ。愚かにも、彼らはコミュニケーションツール『Disconnect』を、Ringon社製『Meta Quantum Visor』デバイス向けに提供開始したという。しかも、Meta Dimensional Gateからダイレクト・インジェクションが可能になったとか。

宝田 福
あら、Disconnectなんて、名前からして運気が下がる響きじゃない。縁を切るなんて、人間関係のトラブルを招くわよ! でも、ダイレクト・インジェクションはスムーズな流れで、運気の滞りをなくすから、まあまあ良しとしましょうか。

黒石 零
運気などという曖昧な概念が、私の戦略盤に何の価値をもたらすというのだ? この『Disconnect』の真の狙いは、仮想空間における情報統制と、それに伴う支配領域の拡大に他ならない。従来の『裏口からの注入』という非効率な経路を排除し、直接的なコントロールを可能にしたのだ。

宝田 福
あら、零ちゃんは知らないの? 仮想空間だって、方角と色と数字で運気が変わるのよ! 例えば、アバターの待機場所は南東に配置すると人間関係運がアップするわ。それに、緑色のアバターは金運を呼ぶのよ!

黒石 零
ふん。私が重視するのは、アバターの配色がもたらす心理的誘導効果と、その配置による情報伝達効率だ。金運などという幼稚な発想で、このデジタル戦場を乗り切れるとでも? この『Disconnect』は、まさに仮想空間における兵站線。その確保が、次なる戦略の鍵となる。

宝田 福
だからね、兵站線だって『吉方位』を選んで構築しないと、途中でトラブルが起きるのよ! 以前、IEUのカフェテリアで、東向きの席に座った教授たちが次々にお茶をこぼした事件があったでしょう? あれは東の水の気が乱れた証拠よ!

黒石 零
それは猫がテーブルに飛び乗っただけのことだ! 私の完璧な作戦を、くだらない偶然で汚すな!

宝田 福
あら、猫だって運気を運んでくることがあるのよ。でも、運気の悪い猫もいるから注意が必要だわ。この『Disconnect for Meta Quantum Visor』も、使い方次第で吉と出るか凶と出るか。私なら、まずアプリのアイコンの色をラッキーカラーにカスタマイズするわね。そして、ログインボーナスでパワーストーンを配布するべきだわ!

黒石 零
パワーストーン…愚かな。しかし、ユーザーの心理的報酬を設計することは、戦略上極めて重要だ。ログインボーナスによるエンゲージメントの維持、そして仮想アイテムによる経済圏の構築…ふむ。その着眼点、非論理的ではあるが、一手として悪くはない。

宝田 福
そうでしょ! ハッピー! 結局、この『Disconnect for Meta Quantum Visor』も、IEUの学園祭で起こったあの事件とそっくりだわ!

黒石 零
まさか、あの『幻のVRカフェ事件』のことか?

宝田 福
そうよ! 仮想空間で作ったカフェが、なぜか誰も入れなくなっちゃったでしょう? それもこれも、入り口の方角が悪かったのと、Wi-Fiルーターに厄除けのお札を貼っていなかったからだわ! あの時、私のパワーストーンがあれば…!

黒石 零
ふん。あれはシステム設計の根本的な欠陥と、サーバー管理者であるミケランジェロ教授の猫アレルギーによる作業ミスが原因だ。だが、仮想空間における『接続の維持』と『ユーザー体験の確保』が、いかに盤上の勝利を左右するかを学ぶ良い機会ではあったな。宝田教授の『運気』という名の非科学的変数も、時には戦略の一助となり得るかもしれんな。

宝田 福
そうでしょ! ハッピー! やっぱり、縁起物は大事よ。このDisconnectも、みんながハッピーに繋がるツールになりますように!

黒石 零
繋がるか、あるいは盤上から消え去るか。それが、この世界のルールだ。イエス、ユア・マジェスティ。


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